痔ろう

痔ろう

jirou_img_1肛門の歯状線にある肛門小窩というくぼみの中に便中の細菌が入り込んで感染し、化膿してしまう病気です。歯状線(肛門上皮と直腸粘膜の境界部分)に大腸菌などが感染すると、炎症が起こって化膿し、膿がたまります。この症状が繰り返されることによって、膿が皮膚を破って、トンネルのように貫通します。これを痔ろうといいます。
膿の出口となった皮膚の傷口がふさがっても、一旦できたトンネルはなくなりません。症状が落ち着いても治ったわけではなく、痛みや腫れが再発することがあります。また、まれに治療せず放置していると「癌化」することもありますので、早めに医療機関を受診し、治療を受けましょう。

痔ろうの4つのタイプ

痔ろうには、肛門腺から膿が進む経路により、4つのタイプがあります。
  • Ⅰ型痔瘻
    jirou_img_2皮下痔ろう、粘膜下痔ろうとも呼ばれるタイプで、発生頻度は高くありません。肛門括約筋を貫いていない痔ろうで裂肛の裂け目に便が詰まることによって起こる場合が多くあります。
  • Ⅱ型痔瘻
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    痔ろうの中でも最も多いとされている、全体の約7割を占める痔ろうです。別名「筋間痔ろう」といいます。内肛門括約筋と外肛門括約筋の間をトンネルが貫いています。トンネルが上方に伸びている「高位筋間痔ろう」、下方に伸びている「低位筋間痔ろう」があります。
    低位筋間痔ろうは痔瘻の中で最も多く、自然に皮膚に出口ができ、膿が排出される場合があります。高位筋間痔ろうは膿の出口がつくられず、鈍い痛みや違和感を生じる事があります。
  • Ⅲ型痔瘻
    jirou_img_4痔ろうの中で約2割を占めているとされています。傷口は深く、複雑な形状をしていることがほとんどです。痩管は肛門括約筋の奥にあるる肛門挙筋より下方に発生し、坐骨直腸窩痔瘻とも呼ばれます。
  • Ⅳ型痔瘻
    jirou_img_5骨盤直腸窩痔ろうとも呼ばれ、トンネルが肛門括約筋の奥にある肛門挙筋を貫いて進行します。頻度は低く、痔ろうの数%程度です。